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線は、僕を描くのyayouのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.2
湖山先生役の三浦友和さんはずっと素敵で子供の頃から好きだ。でも水墨画を指導された小林東雲先生、優しそうで大きくて、私の頭の中の湖山先生そのものだったから、そのまま劇中に出てほしいとさえ思う。公開前に先生はもう5回も見たと。いい映画だとおっしゃっていて、とても嬉しいし、私も負けてられないと思った。

 「心の内側に宇宙はないのか」
小説の中の湖山先生の言葉。
映画には、なかったけど、全てこの言葉につきると思う。

青春映画と思われるかもしれないが、私の見た直後の感想は、「渋いな。」だった。
私が今青春だとしたら、青春映画なのかもしれない。その人なりの染みかた響きかたがあるだろう。

『線は、僕を描く』

監督さんが難しいと仰っていた意味がみてわかった。
こんな形のない繊細な心の中にあるようなものを、エンターテイメントにし、大きな映画館のスクリーンで上映できる作品にする。素晴らしいと思う。水墨画と、人と自然。本質をみる、知ろうとする。

私はこの小説が大好きだったし、小説と映画、表現の仕方が違っていて、どちらも良かった。心の中どこかに何か触れてくるのは確信。

気になったのは、エンドロールの時に立つ人が多かったこと。なんでだ?
ぜひ、というか、絶対yamaさんのくびったけと共にラストまで、聞いてほしいし、見てほしい!

流星くんが出ている映画は、家族も一緒についてきてくれる。必ずまた見に行こうと思う。「確実性」と絶対言いそうにない江口洋介さんももちろん素敵でした。




 
‥追記(少しネタバレかも?)
くびったけは、映画「線は、僕を描く」の主題歌と思って聞いてきたので、違和感はなく、むしろくびったけを楽しみにもしていた。でもはじめてだと、急にポップな感じで驚く方も多いのでしょうか?
ラスト、うちのエースだという霜介が大きな紙に向かう。何を描いたのかな〜と知りたかったけど、何を描いたのかが重要なのではなくて、今霜介が自分の線をそこに描いたことが重要なのだと思った。
そのあとを、yamaさんの温かくて軽快な「くびったけ」が引き受けてくれたのかな、と感じています。
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