パルパティーン

線は、僕を描くのパルパティーンのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.5
やっとこの映画を見れた。清原伽耶ちゃんを見にきたと言っても過言ではない。しかし、今回も自分に激刺さりした映画に出会えた。またもや泣いた。

ほんと清原伽耶ちゃんは演技がうますぎる。気を張っているような時としんどくて気持ちが落ちている時の演技の差がズッキューンってくる。ここまで使い分けれるのはほんとすごい。しかもまだ20歳でこの演技力。これからどんな進化をしていくのかとても楽しみである。

映画では青山が身内に不幸があり塞ぎ込んでいるところで水墨画に出会う。水墨画を習うようになり、千瑛と出会う。「自然」と「命」これらを表現するのが水墨画であり、寄り添っていくものでもある。

青山と自分を重ね合わせてみた。身内に不幸がある訳ではないし、生活にも恵まれていて困っている訳ではない。なのに孤独感や失望感、焦燥感に苛まれている。青山は水墨画に出会った。自分も青山の水墨画のように何かしらひたむきになれるようなものそして、自分というものを表現できるようなことや体験に出会いたいと思えた。文化や芸術、自然に触れてみたいと感じた。
このような思いや考えが生まれた映画には感謝である。

「自分の線を自分で描く。」このセリフにも刺さった。自分のオリジナリティを見つける難しさやそのもどかしさを描いていたのかなと考える。[自分の線を自分で描く=自分の人生を自分で決める]こう解釈した。まだ私は自分の線というものが定まっていないのかなと思う。オリジナリティのない線である。誰かが書いた線を見よう見まねで書いたオリジナリティのない線を描き続けているのかもしれない。いつ自分にオリジナリティのある線が描けるだろうか。

細田佳央太の演技にも痺れた。ちょっとパリピさのある時と青山を怒る時の演技この差に痺れた。細田佳央太もこれから注目していきたい。

内容や物語では、最後の閉め方に少し違和感があった。いい感じで進んでいたのになんでそのような閉め方にしたのかを知りたい。江口洋介の存在が大きかったなと思う。江口さんがいなかったら少ししんどかったかな。120分でいいからもう少し最後を膨らましてもよかったかなと思う。全然120分でもあっという間だと感じる作品ではある。少し勿体無いなと感じた。


2022年55本目