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仕掛人・藤枝梅安2のIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)
4.0
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いっときの 浅き夢見し 我が人生
あの日の粟(あわ)に 勝るものなし
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前作でも梅安の良き相棒として存在感を発揮した彦さんこと彦次郎の過去に焦点を当てた第2作、さらにシリアスにさらにノワールに展開する新時代の時代劇に心奪われる。
彦次郎の怒り、これまでの悲しみが前面に押し出されたストーリーラインは見事。
あの日、幸せの中で口にした粟飯が仕掛人彦次郎の魂の欠片なのだろうか。

前作の名言「こいつぁ、美味ぇや!」は聞けなかったものの、質素だが温かな日々に味付けされた今作の食事シーンは何よりも美味しそうに見え、ただ腹を満たすだけではない命に感謝するような力強さが感じられる。
悪を討つ合間に挟まれるこの食事は、何気ない日常がいかに大切かを説いている気がしてとても心地よい気持ちになれる。


本格派の時代劇として2作連続公開された今シリーズ、上映館も少なめで注目度が高くないことがあまりに勿体無い。
もっと多くの方にご覧いただきたい秀逸なシリーズであり、3作目の製作を願わずにはいられない。