Kaji

犯罪都市 THE ROUNDUPのKajiのネタバレレビュー・内容・結末

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

堂々の続編。しっっっっっっっっかり面白い。

極めて凶悪な犯罪者と追う強力班のメンバー。
1へのセルフオマージュや小ネタも散りばめられてファンさも十分なところに、各々の成長も落とし込んであった。

違法捜査と正義、暴力と自制心の問題が綱引きしながら、捜査上の正当性だけではなく人間の持っている義憤や悪を成敗するパワーが熱い。

悪役・カンヘサン、目つきも体の動きも完璧な危ない人で殺意の軽さに対して実行される犯罪の多さに唖然とする。
マソクト刑事にあれだけボコられても立ち上がる根性は表したいが、刑務所にいってくれ。
歩き方に解放日誌のク氏がチラついたが、ソンソックの新境地ではないだろうか。「マザー」でも悪役だったけど、無表情の中にいろんな表情を醸せる俳優の妙技が、電話のなんでもない感じの気味悪さを増幅させていた。

1のチャンチェンより知恵者だったとこが憎い。

マソクト刑事と班長、強力班のメンバーもタッグを強め、チームプレーが描かれたとこが最高だった。1でマンネだったハジュン氏の刑事が「走れる若手」として地下駐車場でのファイトなどなど、
犯罪都市のアクションはマブリのビンタ・パンチ・今回は投げって以外は結構泥臭くて、技より打撃感に注力したファイトが良い。
カメラ位置とかも工夫がすごい。
班長の肩にざっくり入る鉈がちゃんと鎖骨で止まっているとことか、武器の殺傷能力まで再現しててすごい怖い。


1では朝鮮族、2では海外で凶悪犯罪をする韓国人、スポ情報だと3は日本人キャストがいるのでいよいよ日本との関わりとなるのだろうか。
こういった韓国内の移民や境界的人物を悪役に据えるのは、マドンソクがアメリカ在住者だった経験と怨嗟、受けた差別が背景にあるんじゃないだろうか。
マブリーはアジア系の移民が少ない地域で住んでいたそうで、その時受けた差別を根っこに体を鍛えたとどこかで読んだ。
マソクトとヴィランはマドンソクの中の正と負が現され、ソクト刑事のハードパンチが打ち負かすファイトは何か己の中の邪心を叩いて打ち勝った彼の過去を思うような気になる。

PDマドンソク今後も見たい。
キャストや続投スタッフを率いた主演・PDのスタイル、スタローンを敬愛するマブリーのやりたいことをどんどんやってほしい。
女性のキャラクターも登場してくれないかな、って思う。
Kaji

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