悪魔の毒々クチビル

犯罪都市 THE ROUNDUPの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)
4.7
真実の部屋ベトナム出張編

ベトナムに犯罪者を引き取りに行ったソクトと班長がデカい事件に巻き込まれるお話。

前作がめっちゃ楽しかったので、翌々日にその足で劇場まで行ってきましたとも。
そうしたら更に面白いんだからもう大満足よ。

まぁ作風とか基本的に好きな所は前作と変わらないんで一部省略しますけど、舞台をベトナムに移したり最後は韓国に戻ったり、敵は更にヤバい奴だったりとちゃんと続編らしく派手になっていましたね。

不変のマッスルマスコットことマブリーことマ・ドンソク兄貴、今回はビンタ(ほぼ?)無しでパンチがメインなんだけど劇場で観ると迫力が更に増してすんごい。
柔道みたいな一本背負い等の護身術も健在で、攻防一体のゴリラポリスマンって感じが最高に痺れるんだわな。
アクションも前作より多くて素晴らしい。

一部ソクトの仲間のキャストが変更されていまして、ちょいと残念ではありましたがこっちのコミカルかつ捜査への情熱も示す面々は観ていて非常に惹かれます。前回一番の若手だったホンソクも今回は先輩になっていまして、大分頑張っていましたよ。
特に今作はソクトと一緒にベトナムに行った班長がとにかくボケまくる。ベトナムの暑さでおかしくなったのかってくらいボケ倒す。
まぁボケとはちょっと違いますが、ベトナムでもお構い無しにいつもの尋問をするソクトを見たベトナムの刑事が「止めた方がいいですよ」と班長に言った時の、止める気ゼロの「やめろー(棒読み)」が一番笑えました。

そして今回の極悪人カンもこれまた前作同様、いやそれ以上にイカれていらっしゃる。
金への異常な執着心は共通していますね。
演じたソン・ソックは「何故ここまで金に執着するか監督とバックグラウンドを話し合ったが、理由よりも執着心故に若干狂った状態で突き進む事に重点を置いた」的な事を言っていましたが、俺はこの役作りこそイカれた悪人に必要なものだと思うのでそこも良かったです。
やっぱね、半端な理由なんぞ要らないんですよ、狂人には。

あとは犯人とその連れを逮捕するにあたって、毎回少しずつしか捕まえられないから逃亡劇も多くて。これって物語がダレちゃう原因になりかねないんだけどさ、このシリーズはその度個性的なキャラが各々活躍するから観ていて飽きないんですよね。
今作ではまさかのあのハゲがフッサフサになって再登場していて、しかも笑いの面でも物語の面でも活躍していました。というか生きとったんかワレ!ちょっと嬉しかったやんけ!
あと誘拐された社長の奥様が肝心な時にちゃんと肝が座っていて好印象なキャラでした。

ラストのバスでのタイマンもめっちゃ格好良くて脚並みの太い豪腕だけでなく、腕並みに太い脚での蹴りで外まで吹っ飛ばすシーンは凄すぎて思わずにやけちゃいました。
と思いきやとどめのパンチで相手の頭が車のフロントガラスにめり込むとかいう、初めて見るシーンで普通に笑っちゃいました。マジで化け物や。
最終的にはどんな極悪な奴でもソクトがフルボッコにしてくれる、という展開はこのシリーズの様式美になっていますね。それで良いのよ。

ラストのお酒のシーンはアドリブかと思いきや、脚本通りなんだってね。でも本当に自然な流れでしたし、班長のお酒のチョイス自体はアドリブだったそうで。

娯楽映画としての楽しさも容赦無しのバイオレンスな血生臭さも増し増しになった、傑作アクションでした。超良かった。
どうやらシリーズとしては何と8くらいまで構想があるようですが、その頃にはマブリーも70くらいになってそうなんですがね、それはそれで楽しみかも。
一応合コンばっかしているソクト兄貴ですが、その手の描写は何気に皆無だったのでそこもやっていくのかな。

因みに現在製作中の3、楽しみですがどうやらソクトが他の署に異動するそうで、もう班長を始めとする面子が出ないのは非常に残念ですね。だから今回あんなにボケまくっていたのか…
まぁ本当に8まで作るなら5辺りでカムバックしてくれそうな気もするけど。
あと何故か日本版でリメイクもするらしいんだけど、マブリーに色々な意味で匹敵する人って誰かいましたっけ?
ロック様主演でハリウッドリメイクするならまだ分かるんだけど…う~ん。