◉ 「非常宣言」＝飛行機が危機に直面し、通常の飛行が困難になったとき、パイロットが不時着を要請すること──。
◉韓国の仁川空港発ハワイ行きの飛行機内でバイオテロが発生。逃げ場のない密室という状況下で、乗員乗客はパニックに陥った。一方、奇妙な殺人予告動画の噂を聞いた刑事のク・イノは、子ども達の証言を手掛かりに捜査を始める…。
◉《ソン・ガンホ》×《イ・ビョンホン》というスター俳優らによる豪華タッグ。これまで、航空パニック・スリラー作品は数多と作られてきた中で韓国発は初見で、どんな仕上がりになっているか期待を胸に鑑賞に至る。
◉序盤から、謎の男の言動で不穏な空気を煽る。人間的怖さというか、生理的に不快に感じるような言動。さらに、刑事らの捜査の進捗と連動させる事で恐怖を助長。バイオテロが起きるまでの、この一連の煽り方が巧かった。
◉俳優陣は安定の好演。ただ、過剰に煽る演出（特にBGM）や、中盤からのストーリ展開が気になり、両手放しで楽しめなかったというのが本音。
【以下ネタバレ含む】
◉中盤からは、いかにも“作り物感”のある展開が散見され、少し冷めてしまったのが本音（日本の航空自衛隊の威嚇射撃、刑事による決死のワクチン証明、後半明らかに遅延するウイルス進行、いかにもな悪製薬会社のトップ、結局全員助かる展開etc…）。フィクションというのは分かってるけど、実話を基にした『ユナイテッド93』や『ハドソン川の奇跡』とストーリー展開を比較すると、どうしても作り物感が拭えず…。個人的には、もっとリアリティを追求するか、フィクションテイストに全振りして欲しかった。
