妻が乗った飛行機がバイオテロの攻撃を受けたことを知った刑事と、その飛行機に乗り合わせた元パイロットの乗客が、テロから乗客を救うために奮闘する姿を描いたパニックドラマ。
冒頭から薄気味悪い音楽が流れ、終始緊迫感があり、緊張感の途絶えないシナリオや演出、俳優陣の演技力で2時間半全く見飽きることがありませんでした。
時間経過や飛行距離などを冷静に考えてしまうと矛盾することもたくさんありますが、あり得ないこともあり得るように見えてしまうスピーディーな展開で、とても見応えがありました。
飛行機が急降下するシーンは、"どうやって撮影しているのかしら？"と不思議になるくらい圧巻で、カーチェイスシーンの撮影方法にも感心しました。
そして、バイオテロは物語のとっかかりにすぎず、人間が極限状態に陥った際の醜さと美しさが丁寧に描かれていて、このリアルさが韓国映画の凄さだなと実感しました。
"成田空港"のワードが出てきた時は、"えっ、まさか⁈でもでもソン・ガンホ、是枝監督の『ベイビー・ブローカー』の日本での舞台挨拶で楽しそうにしてたよね？イ・ビョンホン、YOSHIKIとXポーズしてたよね？"と心がザワザワしちゃいましたが、そこまで嫌な感じはしなかったです。あのような展開にしないとストーリーが成り立たないのでしょうし。
まあ、自衛隊の描写はさすがにあり得ないですけど、私は作品の中の描写としてはあまり気になりませんでした。
各国政府の対応や人々の反応は、コロナ禍の今だからこそ、心情的に理解できてしまいました。
色々深く考えずに観るのがオススメです。
