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非常宣言のsのネタバレレビュー・内容・結末

非常宣言(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ウイルス×密室パニックは“新感染"を思い起こさせられる。
今回は飛行機というのもあって、より閉鎖的な空間と絶対絶命感が強い。

実際の現場となる機内上空、地上の警察と政治家。それぞれのせめぎ合いがある。2時間半弱というボリューム、ひとつストーリーが進んだと思えばまた新たな展開というようになかなか終わらないなという印象も正直あった。
そしてテロの犯人の動機が共感出来なさすぎた。

元パイロット(イ・ビョンホン)が乗っていたり、副操縦士の妻の死亡に因果していたり、地上の警察(ソンガンホ)の妻が機内にいたり、現場と国での意見の食い違いがあったり、いざ着陸しようとしたら国民がデモしたり(韓国らしいなと感じた)、、設定やストーリーはてんこ盛りでよく出来ていると感じた。でも長い。

最後の終わり方は好きだった。これで全部が上手く終えて綺麗に収まっていたら残るものは無かった気がする。
ワクチンの効果を立証するために、自らウイルスを打ち身体をはったソンガンホに大きな後遺症が残っていたこと。
ウイルスを自分が拡散してしまうかもしれない、家族や大切な人を、関係のない人々を感染させてしまうかもしれない。それならばこのまま着陸はやめようと機内全員の意思で死を受け入れていた。でもワクチンの効果が認められて着陸が許可された。
後遺症は残ってしまったけれど、最後にみんなが集まったところで呼吸器に繋がれながらも車いすに座っていた彼は笑っているように見えた。そして、それを見つめるイ・ビョンホンの笑顔も優しかったように見えた。
残った代償は大きかったが、悔いは無い。大切な人を守ることができたから。
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