ぴょん

劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えてのぴょんのレビュー・感想・評価

3.6
戦争なんてアホらしいよねってスタンスなのが良かったな。戦いたい人それぞれの理由があってバラバラな(だいたい戦う必要はないくらい自己本位)なこと、それぞれのドラマの断片がおもしろかった。「私にはできないよ」とか、大気圏突入シーンでマスクとるところとか、「戦艦を落とすことがどういうことか分かれ」とか、一言やシーンの説得力と、説明力がある。
富野さんの作品は世界の設定が隅々まで作られてる感じがするし、だからこそキャラクターに説得力があってすごいなと思った。

科学技術をメインテーマに据えてたんだろうか。最後の方でやっとテーマらしきものがつかめてきて、もう一回見たくなった。科学技術と人間の関係性という意味ではいろんなタイプの風刺が効いていた。道具を扱いきれず大破する戦艦とか、通信機能はあるけど知らずに使えないとか。
物語にカタルシスはない、けどそこがいいんだろうとも思うが、ただエンタメ作品として見るには読みどころがわかりにくく、映像的な楽しみどころもわかりにくくて、ちょっと物足りない気持ちになったことはたしか。

日常とか戦い以外の仕事をする人たちへの目線とかが丁寧なことと、ところどころギャグが挟まってることが、戦争なんてつまないしょーもないっていう最後の終わり方とも繋がってるように感じて好きだった。ベルリはタフすぎるね。女の人みんな好きだったな。モビルスーツが戦うだけじゃないところも好き。

カタルシスはないけれど、何を見せてくれるのかな、監督は今何を考えてるのかな、とワクワクさせられるのはやっぱり富野監督だなとおもった。
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