母親として娘たちを事故で亡くしてしまったことを思い悩みながら、ひとり山で暮らす登山家。
天候が悪化することを知りながらも、ひとりワシントン山の山頂を目指す。
これは、娘たちへの思いなのか。
あえて困難な状況に挑んでいく。
そして、山頂近くでうずくまっていた男を発見する。
山岳救助隊でもある彼女は、男を助けるべく、必死に二人での下山を強行する。
事実に基づいた話ではあるが、この映画の本質は救出劇だけではない。
深い悲しみは、無限の嵐と共に止むことはない。
遭難しかけていた男を救うことで、自分自身の変化が生まれる。
説明はなく、山と向き合う姿から感じ取るしかない。
それは、同じ悲しみを抱えている人にしか聴こえない風の音なのかもしれない。
