まーしー

MEMORY メモリーのまーしーのレビュー・感想・評価

MEMORY メモリー(2022年製作の映画)
2.5
【ハシゴ劇場鑑賞②】

雇われの殺し屋が、少女殺害の命令を拒否したことから、組織やFBIに追われることになるサスペンス・アクション。

主人公の殺し屋アレックスを演じたのは、御年70歳のリーアム・ニーソン。
年齢を感じさせないタフさは相変わらず。一発必中の銃の腕前と瞬時の判断力は、いかにも殺し屋らしい。
しかし、本作ではアルツハイマー病にも悩まされる設定。
殺し屋が記憶を保持できないところに、この作品のオリジナリティを感じる。

ただ、この「記憶の喪失」という要素をうまく活かされていないように感じたのも事実。
鍵の在り処や前夜のベッドタイムなど、失われた記憶はストーリーの枝葉部分が多かったように思う。
また、「子どもは殺さない」というポリシーを貫くアレックスだが、悪人以外も殺めてしまうあたり、感情移入しにくい。

序盤は、殺し屋アレックスのパート、FBIのパート、標的のパートが同時並行的に進行するものの、それぞれのパートにぶつ切り感があり、作品の世界に入り込みにくかった。
そのため、終盤に全貌が明らかになっても爽快感が少なかった。

最後まで二転三転する展開は目が離せない。
リーアム・ニーソンらしいアクションも堪能できるし、ガイ・ピアースやモニカ・ベルッチなどキャストも豪華。
それ故、少しビジーな人間関係や設定が惜しく感じられた。
世間ではリーアム・ニーソンの失敗作とも評されているようだが、私はそこまで駄作とは思わなかった。