こつぶライダー

目指せメタルロードのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

目指せメタルロード(2022年製作の映画)
3.8
"言いたいことも言えないこんな世の中じゃ Poison"

いじめられっ子幼馴染同士でバンドコンテストに出場する青春王道ストーリーながら、ヘヴィ・メタルという周囲とはまた異なる音楽ジャンルで一線を引く作品。

怒りってさ、日常にコロコロと転がってるんだよね。
別に特別壮大な悩みなんかじゃなくても、誰しもが何かを抱えて生きてるから。
それを発散する場と仲間が必要なんじゃないかな。

若い頃って、大人と違って感情のセンサーが繊細で、色んなところに反応して喜怒哀楽が激しくなるのよ。
私もちょっとしたことで親にキレたり、兄貴と喧嘩したり、、、今思えば「そんなことで?」と。

ただ、それは自分が大人になる過程であって、そういった経験を重ねながらも、咀嚼して消化した結果。
それを一人でやれる人もいれば、誰かの協力あって成り立つ人も。
大体は後者なんだよね。

今作、鍵を握ってたのは更生施設にいた元メタラーの医者だと思った。
周りの声を全く聞こうとしない破天荒なハンターが、唯一冷静にアドバイスを聞いたのが彼だった。

ハンターの怒りの根幹は、母親が出て行ってしまったのに自分を認めず女性に走る父親にあったのかな?だから余計に女性を遠ざけてる感じもした。
あまり説明がないからその辺が曖昧だけど、理由はそこまで重要ではなかったり。

ケビンだって、そもそもが気弱な性格してて、幼なじみのハンターに流されながら生きてるけど、好きな子ができたことで少しずつ変わっていった。
今まで否定したくてもできなかったハンターに対して、エミリーを否定されたことで反発したり、変わったよね。

仲違いした二人が仲直りするあたりはもう少し丁寧な描写が欲しかったかな、、、とは思った。それでも、幼なじみとしての繋がりの強さは前半で伝わりました。

あまり説教臭くなくて、軽めに観れるけど心の奥にまで届く良作でした!
メタラー姿、演奏する姿がかっこよかったな!
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