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“それ”がいる森のKHのレビュー・感想・評価

“それ”がいる森(2022年製作の映画)
1.5
2024年度の年間ノルマ70本中37作品目。
見させて頂きました。

こちらの作品は、Netflixにあったものをクリップしておいて、時間があるタイミングで見ようと思っていた作品です。

また、こちらの作品の監督が、あの『リング』や『仄暗い水の底から』の中田秀夫監督という事もあり、ある程度は期待を持って
作品に臨みたいと思います。


まずは、ネタバレなしの率直な感想をば述べます。


『正直言って最低な作品だなという印象です。まずストーリーが率直につまらないです。中学生でももっと面白い話が作れると思いました。
また、舞台設定や、セリフ、小さな小道具なども多少細かな部分はありますが、
気になりすぎるというか、
むしろ気にしたらもうアウトと言うか。
よくよく調べたらなるほど『事故物件』の監督もやっているし、脚本も同じ人でした。
もう見ている側を侮っていると言うか、
舐めているとしか思えないほど何から何までガバガバで、作品の途中は早くこの作品が終わって欲しいなと感じてやまなかったです。
この作品に参加させられた役者は可哀想だなと感じますし、スポンサーには同情します。
こんな作品に何も口が出せないスタッフも浮かばれないでしょう。
この作品を放映した映画館はきっと元が取れてないでしょうし、
せめてもう2度と同じチームでホラーを撮るという世迷いごとは言われない様に、
これがジャパニーズホラーと思われると悲しくなります。』


個人的にここまで一つの作品を下げる事はあまり言わない方なのですが、
ちょっと機嫌が悪かったんですかね。

いいところを探そうと必死になればなるほど、どこを褒めろと?という気になってきて
むしろ腹が立ってきてしまいました。

褒める所があるとするならば、
ラストは怖いというよりはむしろ笑いましたよ。『それ』の移動の仕方とかに、
それぐらいです。


また、ここから先はネタバレを含む感想になりますので、まだ観てない方はご注意を、


まず初めに言っておくと、正直見たのは随分前になります。
結果として途中で辞めては、続きをちょこっと見て、
また止めては、少し寝て、巻き戻して、
と、何かの罰の様にこの作品に挑んだ次第です。

何せ、冒頭のパンサー尾形のホストシーンで
一回辞めてしまった程であり、

あぁ、今から始まる映画は何というかこの程度の作品かぁ。と思ってしまったからです。
何が問題があるのかと言われれば、
そのリアリティの無さです。

この監督や脚本家の用意したホストとその客の女の造形もさることながら、
ダサいし、テンプレの様なセリフ。
今から引きちぎれるであろう不自然な腕時計のアップ、
何から何までダサかったです。
役者がどうこうじゃ無くて、尾形が悪いというわけでは無くて、
だったら立ち小便の際にわざわざ拳銃を腰に回したりという意味のないカットがあったり、あれがあるなら『それ』に対して発砲するくらいの回収はあって然るべきであるし、
そもそもホストと女を殺すメリットが宇宙人には存在しません。

子供は食事としての役割のために積極的に襲うのはわかりますし、その子供を匿っている邪魔な大人を殺すのは目的としては理解できます。

しかし、逃げてきただけのホストを殺す理由がどこに存在しますか?
ただ恐怖を演出するためだけに作られたアバンタイトルまでの小さなストーリーが
カス以下のプロットだった様に思います。

また、細かな部分で言えば息子の乗ってくるタクシーのナンバーは福島ナンバーでは無く
世田谷ナンバーでした。

彼は東京から直で福島まで来たのでしょうか?家出をするのに母親、もしくは金持ちの祖父から金でも貰ってきたのでしょうか?
いや、相葉雅紀がタクシー代を払ってるのでそれはないでしょう。
また、相葉にはこんなに大金払えないよなどのリアクションはないので、おそらくは駅から拾ってきたタクシーという設定なのだと思いますが、

つまり、この作品はそんな小さな部分は誰も見てないと決めつけてそれを妥協しているに過ぎず、これを観客を舐めている、もしくはやっつけ仕事をしていると思われても仕方ないでしょう。

また、行方不明になった少年を捜索する際に
相葉達が発見した、冒頭のバックに入った大金、尾形の死体、
そして謎のUFOの着陸痕。

これのリアクションが基本全部同じだし、
記憶でも無くなったんかってくらい次に注意が移ってしまう鶏の様な知能しかない相葉君にもう爆笑でした。

えっ‼︎・・・なんでこんな大金が、

あれは、、

えっ‼︎・・・死体だ。。

あれは、、、

えっ‼︎・・・一体これは??

本当にこんな感じのテンポです。
いやいやいやいや、もう嫌になりましたよ。
これでダイコン扱いされるんですかね?
相葉雅紀は、いや、俺は役者には罪がないと思ってます。きっとそういう台本であり、その通りに演じただけで、それにオッケーを出して世に流した人の責任だと感じます。

そんな感じで、とにかくほぼ全てのシーンにダメだなぁと感じてしまうシーンが散りばめられており、
これから映画を作る人たちにとっては
間違い探しをいくつ見つけられるかの大会を開いた方が盛り上がること必至であり
むしろそんな大会がYouTubeであれば見たいほどでした。

また、UFOの着陸痕を迷惑系YouTuberの仕業と警察にセリフとして吐かせてるあたり

監督もしくは脚本家にはYouTubeに大して良いイメージがないんだろうなと伺えますし、
物凄い私情なセリフだなと感じて非常に嫌悪感がありました。福島県警はキレて良いと思います。

タイトルから分かる通り、この作品の要になってくる要素として『それ』の正体がありますが、
タイトルや予告編で引っ張るわけだなという結論でした。その正体もビジュアルも想像を大きく下回る出来に心底ガッカリでした。


また相葉雅紀の家の事情や、妻の父との確執等は長めに回想まで作って丁寧に説明があった割にその原因はハッキリせず、

また、結果として妻も福島で暮らす方向ならば一体なぜあれを長々と見せられなければならなかったのでしょうか?

さらに言えば、福島の田舎町という舞台設定の割にこの作品の世界には『方言』という概念は存在せず、
全ての登場人物が、ハキハキと標準語を話していたのも引っかかりました。

少なくとも三年も仕事で使ってるはずの軽トラは新車同様に汚れひとつないですし、

結果的にミカンに付いた病気が弱点の宇宙人って発想が斜め上を生き過ぎててこの辺はむしろ爆笑もんです。

また校庭に現れた宇宙人がする謎の移動の方法はむしろ高度なお笑いをやってるのかなと思うほどで、
二、三メートルだけ謎の瞬間移動を
するスト2の
ベガみたいな移動には逆にビックリしました。何あれ?

周囲が停電しているにも関わらず、
受話器を取り、『一体何がどうなっているんだ』と言う教頭、いやだから停電やから電話も繋がらんて、

危険があるからと何故か学校で子供達を匿うと言う暴挙、その割に少なすぎる子供達、

いよいよラストのサッカーの試合中?運動会ではなさそうですが、
とにかく試合中に勝手に先生のところへ駆け寄り、亡くなった少年の形見を渡しに行ったり、
『お前東京に帰っちゃうのか?』と聞く少年。


いや、今サッカーの試合中じゃないの?
何故今のタイミングでこんな事聞くの?と、
本当に全てのシーンに対してツッコミを入れなければならないのは苦行であり、
日本映画の質を落としかねないので、

今回はあえて厳しめに感想を書かせて頂きました。さて、他の方のレビューを楽しみたいと思います。

今回はこの辺で、
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