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ザリガニの鳴くところのおのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

トキシックマスキュリニティー(有害な男性性)やヤングケアラー、アウトサイダー への偏見、ネグレクトを描きながら、シンデレラ的な構造をなぞりながら本当に誰かを大切にすることに迫っています。
郊外に住むシンデレラのように、主人公カイヤも湿地で暮らしている。でもカイヤにとって外の世界が憧憬の対象ではなく運命の場所だと確信している。外の世界(消費社会)に参加することを肯定するプロットからは一線を画していて、アウトサイダーである人を染める調教/調整させるという暴力性を常に指摘します。しかもそれも女性視点を美化するのではなく、その中にある確固たる強さや意思を描いています。

まぁこんな感じでメインはミステリーではなくその中で紡がれる人間関係の話です。(そう思うとすごいゴーンガール的)

大衆作品として消費される女性像ではなく、知識を蓄え生きることを考えていて、映画の中でカイヤは、今までのどのヒロインよりも犠牲的であり、力強い。僕は、誰かと一緒にいて、その人とのことを男性性の側面での消費/役割を振り翳してないだろうか、偏見がなくフラットに接していられれてるだろうか。
「どうか平等な目で事実だけをみて判断してほしい」弁護士はそう語り街全体に生まれるマジョリティーの歪んだ民意と戦っています。社会での役割や一般的に紡がれる関係性ではなく、本当にその人のことを目をみて接していられるだろうか。

素晴らしい湿地の映像表現で紡がれた映画でした。
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