MidoriK

ザリガニの鳴くところのMidoriKのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作の小説は読んでいないのですが、これは読みたくなりました。

湿地の映像がとても綺麗。自然っていいよね…とうっとりする画でした。
カイアの孤独な日々を救ってくれたというのが納得の美しさです。
家のインテリアが素敵で住んでみたいと思いました。湿気は気になるけど…

カイア役のデイジー・エドガー=ジョーンズが美しかったです。
生粋のロンドンっ子とは分からないアメリカ英語でした。
透き通るような肌と、特徴的な目が、カイアの神秘性を上手く表現していたと思います。

ジャンピン夫妻は当時の時代で黒人夫婦ながらお店を切り盛りしていて凄いなと思ったのですが、
カイアに関わるのに躊躇する気持ちはよく分かりました。
それでも見守っていた夫婦は本当のお母さんとお父さんのようでした。

テイトが独立記念日に帰ってきたなら幸せになったのかと言えばそうでもないような気がして、カイアが大人になったのはあのポイントなのかなとも思ったり。
チェイスも最終的に理性が負けた(暴力性が勝った)けど、本当にカイアを好きだったんだろうとは思います。ネックレスも外さなかったですし。
ただそれは湿地にいるときだけで、街にいるときはカイアを守ることすらしなかった。
テイトもチェイスも彼女と一緒にいるときは彼女のやりたいことを邪魔しないのが、湿地にいる彼女には逆らえない(尊重する)という事なのかなと思いました。

真相ははっきりしていないですが、カイアはチェイスの死の「何か」を知っていたという事ですよね。
彼女自身が手を下したのか、事故だったのか、個人的にはテイトが犯人でそれを隠しているのかなと思っていました。
出版社の人との会話で「自然に善悪はない、(生きるという)本能だけだ」のフレーズが全てを象徴しているのかなと。

例えチェイスの事をカイアが殺したとしても、「殺したかった」というより「生きるために殺す」という自然的な考え方だったのかなと思いました。
どんな結末であっても、ある意味死も生も彼女は受け入れる。
「私は湿地になった」というセリフが全てだと。
MidoriK

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