Neki

ザリガニの鳴くところのNekiのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.2
映画の日だったからか、おやつの時間に観に行ったけどほぼ満席だった。平日だけど。

映画としては個人的に悪くなかったけど(美しかったし、自然も彼女の絵も)家族に捨てられた彼女の孤独や、自然界の残酷さに対する表現が足りなかったと思う。


緻密な表現がたくさん織り交ぜられた原作を出来る限り表現しながら、上映時間に限りのある映画作品に仕上げるのは、やはり簡単ではないんだろうな。






以下ちょっとネタバレ。





だからこそ、映画の途中でその後の話が読めちゃう気がしてくる。そのまま蔑まれ捨てられただ1人沼地で生きてきた女の子の苦労話、報われてよかったねなんて感じで進んだら物語として面白くないし。ラストはやっぱそっちいってくれなきゃ、と思う。


ミステリーらしいミステリーではなかったけど、彼女を殺人を罪とみなす人間側の存在として見るか、生も死も善悪の基準で捉えない沼地側の存在として見るかでラストの解釈はきっと変わる。


カマキリの描写やモノローグからして、個人的には映画では後者だとおもう。

そう、後者として彼女をみるならこの映画結構面白い。原作は未読なので、読んでみようかな。原作もかなり自然が美しそうだし。
Neki

Neki