デッカード

ザリガニの鳴くところのデッカードのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
2.5
湿地に一人孤独に生きる娘カイア。
突然現れた変死体は殺人と判断されカイアは容疑者にされてしまう。
裁かれるカイアは無罪となるのか?死刑になるのか?

父親のDVはじめ男たちの暴力は父権が強かった時代だろうと決して許されるものではない。
犠牲となる女性は現代もいる。

カイアは社会的偏見にさらされているのだが、黒人夫妻だけがカイアにやさしく接してくれる。その姿は救いのようではあるが、差別を受けている者同士ということを考えると社会の理不尽さを如実に表している。

登場する男たちはみんな身勝手で、唯一彼女の支えとなるテイトでさえ考えようによれば自分に都合よくカイアに接しているように思える。

生物学で秀でた才能を開花させていくカイアだが、彼女が"ある自然の摂理"に開眼するのは当たり前のことかもしれない。

映画としてはカイアの物語と法廷劇がそれぞれ中心となるのだが、どっちつかずで物語としての迫力が今ひとつ。結末も予測可能だったことを考えるとやや消化不良な印象でした。
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