男の死体が発見され、湿地帯に住む少女が犯人と疑われる。少女の過去に遡り、事件の真相に迫るストーリー。犯人捜しのミステリーかと思ったらロマンスに重きを置いていて、差別、偏見、DVなども絡めながら、カイアという少女の人生を見つめる作品でした。
「どんな生き物も、生存のために奮闘する」
この言葉にすべてが集約されていた。カイアは動植物と同じように、本能のまま自然と共存し、湿地帯で生きている。
人間は彼女を裏切るけど、湿地は裏切らない。湿地だけが彼女の生きる場所でそこからどこにも出たくなかった。その思いの強さが根幹でした。湿地の自然が美しかったです。
ここからマイナスの感想。原作はもっと深いのかもしれない。子供時代の子がよかっただけに、大人になったら急に身の回りまで綺麗になり、タフさを感じない。一人で女性があの地で生きることはどんなに大変か。設定がヘビーなのに主人公からはその辺が全く見えず、違和感がありました。面白かったからこそ、ところどころの薄い描写が気になってしまったかも。
エンディングのテイラー・スウィフトの歌が物語に寄り添っていてよかったです。
