消々

ザリガニの鳴くところの消々のレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.0
ミステリーでもあり、ラブストーリーでもあり、差別の話でもあった。
「普通」ではないという理由で排除し、さらに事故か殺人か明らかでない事件なのに、罪をなすりつけようとする街の人々。判決は「私を裁くのではなく、彼ら自身を裁く」と主人公のカイアが言い放った時、涙が出た。この言葉は、カイアが受けてきた差別への悔しさがにじんでいたし、街の人基準の「普通」から外れた人は差別していいと言わんばかりの街の人々へ「罪人は誰か」と問いただすものだった。そして「街の人」は「現代を生きる人々」にも置き換えられるのではないかと思う。物語の外の人々に、「あなたは潜在的に差別していませんか」「その差別を根拠に悪者に仕立て上げていませんか」と問われているようだった。
加えてミステリーとしても面白く、最後の最後の最後まで目が離せなかった。
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