カズザク17

ザリガニの鳴くところのカズザク17のレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.0
自分達と違う=差別・偏見・蔑みの対象となる。多かれ少なかれ、人間であれば誰もが持っている醜い人間の性。そんな中で、湿地の娘を心から心配し、慈しむ夫婦が居た事に救われる。
家族に捨てられ、やむを得ず湿地の中で一人で暮らしていく事になった主人公。湿地に生息する生物が、唯一の命ある者との繋がり。そんな特殊な環境の中、彼女の自然に対する神経が研ぎ澄まされ、普通の人間には見えない・聞こえない自然の力…魂のようなモノが、彼女には見える・聞こえるようになったのだと思う。
目撃者は居ない、証拠も見つけられない、時間的にも犯行は厳しい…そん中で、憶測・感情ではなく真実に目を向け判決が下される。最後の最後に見つかった決定的な証拠…自然界に生きる生物は、自然に自分達の身を守る為の術を知っている。自然の中で育った彼女は、普通の人間では理解できない生き残る術を知っていたのだろうか?