ヘラルドスクエア

ザリガニの鳴くところのヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
2.6
普通に面白かったです。
湿地帯の自然をとらえた映像はとてもきれい。
人物造形は平坦ですが、それがかえって安心して見ていられる要因ですね。

凝った仕掛けや伏線はなくサスペンスとしては弱いです。かといってヒューマンドラマというほどには感情表現はされていません。
まぁ監督の意図的なものなのでしょう、多分。
俳優たちもその演出意図に応えてなのか、深みのある演技はしていません。
結果、あっさり薄味の作品でした。
原作は、生態学者が小説も書いてみましたという作品ですが、フィクションの舞台は原作者得得意のフィールドに置いたとしても、それ以上に物語を感じられませんでした。
特に、人情人権派弁護士の存在や(デヴィッド ストラザーンさんには役不足、もったいない)、雑貨店の黒人夫婦に召使いでありながらメンター的役割を担わせて、無意識の逆差別だったりと、今さら感のあるストックキャラクターで、いまいちセンスを感じられませんでした。