鹿shika

ザリガニの鳴くところの鹿shikaのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.4
1963年10月30日、青年が湿地帯で変死体を発見する。容疑者となったのは湿地帯で暮らす、学校にもいかない少女だった。青年が少女と出会い、彼の歯車が狂いだす。果たして、、

原作を読みたくなったね。
まずこの暗〜い湿地帯の雰囲気が好き。
そしてこの事件に湿地の雰囲気が合いすぎている。

湿地は厳しい自然の姿が、事件の渦の中にいる主人公カイアを掴んで離さない。今作は、そんな沼のような事件なのだ。

そして原作が小説ということで、言葉の節々が美しく、表情の心理描写が痺れた。

この前タレントの滝沢カレンちゃんが小説出してたやつ読んだんだけど、元からある作品を滝沢カレンちゃんが自身の解釈で、物語を書くっていう企画を読んだんだけど、

この作品もあって、ドライヤーくんとモイスチャーちゃんという変な物語になってました笑

夢見たいな話。おかしな話、ちょっと怖い笑

好きな文章は以下です。

湿地は沼地とは違う。
湿地は光の世界。水は緑を育み、空へと流れてゆく。
湿地の中に点在するのが、本当の沼。沼は死を熟知している。
死を悲劇にしないし、罪にもしない。

湿地は つまづく私を、いつも抱き止めた。
心の傷は薄れてゆき、輪郭がぼやけた。砂に染み込む水と同じ。深みに沈む。
鹿shika

鹿shika