おたしん

ザリガニの鳴くところのおたしんのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

過酷な人生を過ごしてきた少女の孤独と恋。
ミステリー小説の映画化ということでジャンルもミステリーにカテゴライズされてるけど犯人探しがメインではないかな。
ヒューマンドラマ感が強い印象。
それでもとても楽しめました。

湿地の映像は好きだった。
生物がたくさん生息する自然の地。
美しくもあり樹海とまではいかなくともダークな雰囲気もあった。

序盤の子供時代からわりと壮絶。
クソ親父のせいで"普通"の生活は送れていないように見えた。
彼にも何かあったんだろうけど。
母親だけでなく兄弟も出ていってしまう。
『ガラスの城の約束』みたい。
1人で生きるのは想像以上に大変だろうけどあの親父とずっといるよりはマシだったかも。

時は経ち成長したけど生活は変わらず。
変えようともしてなかったけど。
テイトとの初恋シチュエーションはピュアすぎて可愛かった。
ここだけ見たらハッピーラブロマンス映画。
素敵だったけど長くは続かない。
待ち焦がれた再会の日におめかしして向かったけど彼は来ず。
すごい悲しかったな。
時代もあって携帯電話がないってのがね。

孤独。
だからこそ初恋の重要性は人並み以上。
人肌の恋しさ。
家族も友達もいないんだもん当たり前かも。

そこに現れたチェイス。
金持ちホットガイで惚れるのも分かるけどレッドフラッグすぎる。
経験の浅い人間が彼に優しくされたら好きになっちゃうのかも。
まあシンプルにイケメンだしな。

もしかしたら意外とイイ奴…?って思った時点でこちらの負けでした。
やっぱりクソ男。
それが垣間見えたとこからはもうネガティブな印象しかないわ。
遊びたいだけなら超純情カイアじゃなくてそこら辺のクソビッチとどうぞ。
見てるこっちすら悔しかったわ。

手を出したところで完全にアウト。
そして蘇る幼少期の記憶。
序盤の父親と同じ言動。
ある意味伏線回収のような。
母親が出ていった理由が分かったというカイアは辛い経験とともに成長したはず。

これらを踏まえて進んでいる法廷シーン。
ほとんどの人たちがカイアを軽蔑している。
別に彼女が誰かに害を加えた訳でもないのに。
可哀想すぎる。
弁護士が言ってたように"1人で生き抜いた強い女性"的な目線で見てほしいよね。
彼女の過去を理解しようともせずに最初から犯人扱いなんて酷すぎるだろ。

唯一手を差し伸べてくれていた夫婦が素晴らしい。
正直みんながそうすべきなんだけど。
弁護士のおじいも。
そしてテイト。
戻ってきてからの言い訳を聞いたときは遅すぎるだろって思ったけどやっぱりイイ奴に変わりはなく素敵な男性だった。
彼と幸せになれてこちらも嬉しくなるほど。

自然が大好きで知識も豊富で絵も上手い。
本の出版は合っている仕事だし成功してほしいと思えた。
そして再び時は経ち寿命を迎え終わるのかと思いきやのラスト。
どんでん返しでもないし正直驚きもしなかったけど。

犯人探しがメインではない本作。
とするとカイアの行動は今までの経験から結論を出した生きるための手段だった。
一つ言えるのは彼女は悪人ではないこと。
そう考えると最善策だったのかもしれない。
個人的にチェイスが今後起こすこと等を全てまとめたら今回の結果に値しそうって思っちゃった。
生き抜くのって大変ですね。

最初から最後まで楽しめました。
改めて面白い映画と面白くない映画の差って何なんだろうって考えた。
何か見入っちゃうんだよな。
とりあえず好きな作品です。


ハリスディキンソンかっこよ。
クソ男すぎて無理だったけど好きになってまうのも理解できるわ。
モーテルでのベッドシーンは身体つきが最高。
何かムカつくね!

テイラージョンスミスもよかった!
役柄もあってか良い人そうだし。笑
めっちゃイケメンとかじゃないけど絶妙に好きだわ。

そして主演の女の子が本当に可愛い。
ピュアなあんな子いたらモテるよな。
いくら湿地で育ったからって絶対にモテるでしょこんなの。
おたしん

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