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ザリガニの鳴くところのmetafisimaniaのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

家族に捨てられ
湿地の一軒家に
たった独りで暮らす
少女が主人公


少女の身の上に
街のほとんどの人間たちは
寄り添うどころか蔑む


そして彼女と
関わりのあった青年が
湿地の中で謎の死を
遂げたことから
街の人間たちの疑惑の目が
彼女に一気に注がれる


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タイトルになっている
ザリガニの鳴くところとは
湿地の奥深く
誰の目にもつかないところ
ということらしい


主人公の少女の境遇に照らすと
偏見も差別も暴力も届かない場所
という意味にとれる



青年殺しの裁判を軸に
話が展開するので
どうしても犯人探しに
気が向きがちだけど


彼女の暮らす湿地に
意志があるならば?
と仮定して観ると
まったく違うものが
観えてくる


湿地の意志が
偏見・差別・暴力に傷付いた
彼女が癒され自由になるよう
かなりアグレッシブに
導いているように観える


そう観ると
ラストもまったく違う
捉え方になってくる


ファンタジーではなく
人間がいかに
真実・事実の一部だけを
都合よく切り取って
都合よく貼り合わせて
物事を見ているか

この映画を見ている
自分自身はどうだろうか

と、問われているように想う
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