けろちゃん

ロストケアのけろちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

劇中にあった「自分の親に介護が必要になった時、自分はどうすればいいだろう?」という台詞に全部詰まっていると思う。
喪失の救済については、自分(主人公)の父親ならばともかく、他者に対して行うべきではないというのが、大前提としてあるものの、その大前提に準ずるひと(裁判で激昂していた女性)とそうでない人(救われたと言っていた女性)がいるように行ったことに関しての善悪は完全には判断できないもののような気がする。
安全地帯と穴という上下関係は確かにあって、
検事の母親はお金もあって自分から迷惑かけまいと介護施設に入居している、父親とは連絡をとっていない形だったので、介護という部分ではあまり負担を経験していない。
対比するように主人公の家庭を見ると、検事も主人公も片親に育てられたという共通点はあるものの、ここまで違いがあるのかと絶望させられる。
最後にエンドロールで流れる主人公の幼少期の様子は、父親の走馬灯なのか、父親が父親である時に考えていたことなのかと考えると胸が痛い。
松山ケンイチと柄本明の演技に感動。
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