グラップラー中村

ロストケアのグラップラー中村のレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
3.8
全員演技が凄い!特に松山ケンイチと柄本明さんの目を背けたくなるくらい苦しい介護のシーンがこの映画の説得力になってた。

PLAN75と同様、高齢化の問題提起を行なっている今作、介護に苦しむ家族とそれに対して責任を感じている高齢者を救うために高齢者を殺すマツケン、これがロストケアっていうことですね。それと殺人はいかなる理由でも悪とする検事の長澤まさみを対照的に描いてます。

観ていくとなんかマツケンの方が正しく感じる、2人が向かい合うシーンでもマツケンの目には光があるのに長澤まさみの目は真っ黒みたいなシーンもあったり、私も中々考えさせられました。

どうしていくべきなんだろうな日本は、介護士の給料上げたり、労働力人口は減っていくだろうからITでできる仕事を増やすとかなのかなぁ。でも自分が介護される側になったとき子供のお金の負担とか記憶なくなっていっても生きたいかと言われたら悩む。

裁判のシーンから世間はどういう感想持つのかとか彼の主張でどう揺れ動くのかを描かないと2人で話してるだけで良いじゃんってなる。絵作りを気にして不自然なライティングになってるのも気になっちゃった。全体の総評としては演技がとにかく良くて考えさせられる良い映画、ただ展開は読めるので話としての面白みは少ない。
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