隼也

ロストケアの隼也のレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
3.3
【殺しじゃない。救いです。】

最近どんどん新作作ってノリにのってる前田哲監督作品!

介護センターで働く男が殺人事件に関与していた。その殺人数は42人であると本人が自供する。相対する検事は極刑を求め追及するが…殺しではなく救いだという彼の思いとは。。

構成が上手いなと。
長澤まさみ演じる大友と松山ケンイチ演じる斯波の対立。ここの場面に全ての言葉が含まれていた気がする。
斯波もサイコパス感を出すのではなく、しっかりと考えを持って正しいと思って同じ苦しみを知るものとしてあの場にいたのが同情と共感をしてしまうくらい良かった。恐怖の対象とするのではなく、視聴者を揺らがせるのはとても面白かった。

この手の映画のまぁ悪いところって言ってしまうと良くないんだけど、結論が出ないんだよね。介護で苦しむ家を救うために殺して救ってあげるって行為は決して許されるべきものではない。これだけは言える。でも果たしてそれはただの自己満足行為なのか。想像以上の苦労をして介護していた家族は解放されて自由になったのか。ここがまぁ社会の難しいところだよね。ここに答えはない。出しちゃいけないって方が正しいかな?それがこの映画でも壁になってるから少しモヤモヤしてしまった。。
隼也

隼也