ハレンチ学園在学生

ロストケアのハレンチ学園在学生のネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

介護の体験があると見るのがつらい。原作はミステリーらしいが未読。自分の父親を含め42名の介護が必要な老人を「ロストケア」した介護士の松山ケンイチ、法の裁きを受けさせようとする敏腕検事の長澤まさみの2人の対決をメインストーリーとする。誰がどう見ても「穴の開いた社会」を告発する作品で、その訴えが介護問題に何らかのブレイクスルーを与えられたらとは思う。が、映画をエンタメとして見るとき、ラストの長澤が父親を孤独死させていることを松山に告白するシーンは、それまで強硬に罪に問おうとしていた長澤の態度と隔たりがあるし、あまりに松山の主張に寄り添い過ぎてはいないだろうか。そこで松山に救いを与えて作劇的な決着を見せるよりは、その一つ前の、長澤が松山の部屋を訪ね机に座る松山の幻影を見ながら、窓枠の影が十字架となって表れるシーンをラストにするべきだったのではないかと思った。