鎌谷ミキ

ロストケアの鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
4.3
【人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい】
マタイによる福音書7章12節

※レビューの後に映画ベスト10邦画編あります。

[あらすじ]
心優しい介護士の斯波宗典(松山ケンイチ)が、自らの信念に従って殺人を繰り返す。正義感あふれる1人の検事・大友秀美(長澤まさみ)は、そんな犯人に対峙する中で葛藤を深めていく。

[レビュー]
去年末にレンタルしてたのを、やっと鑑賞。
2013年に刊行された葉真中顕氏の小説とは思えない(相模原障害者施設殺傷事件の3年前)まるで、その事件をモチーフに描かれたような話で身震いしました。 

松山ケンイチ視点というより、長澤まさみ視点で垣間見る殺人鬼の正体。被告人と検事という関係で事件を紐解くのは面白いと思いました。普通に事件を探るよりも。

人が他人の生死を決めていいのかということだと思います。そんなこと、神様だって。やっぱり松山ケンイチには同情するわけにはいかない。「人殺し」と裁判で罵られているわけで。

ここでもどかしいのは、坂井真紀のような「救われた」という人の存在。相模原のあの人を英雄と崇めていた人たちも同じ気持ちなのでしょうが…

キーパーソンなのは長澤まさみは介護付有料老人ホーム?に入居している認知症の母親。だけど、つらいことばかりではないと教えてくれます。

「絆は呪縛でもある」
「家族を辞めさせてあげてもいい」
「僕を救ってください」
「誰にも迷惑かけない人なんて、いないんです」

いきなり出てくる、綾戸智恵さんの威力半端ない。こんな役で出演させるんか…
誰もが納得なのは、ネタバレになるから詳細書かない松山ケンイチの父親となる柄本明ですよね。いやー、ここ最近で名演技でした。

だから、余計後味が…本作に答えなんて存在しないのかもしれませんね。いろんな意味で"哀れ"だとは思います…

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では続きです。いつも通りでやってみます。
【カマヤ的2023年映画ベスト10】邦画編

🥇鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
なんだかんだで強かったかも。Xでは同位1位にしましたが、こちらでは順位つけました。ミステリーとしても、鬼太郎のストーリーにしても素晴らしく出来がいい。

🥈ラーゲリより愛を込めて
大変泣かされました。滝泣き。こんなこと、二度とあってはいけません。

🥉THE FIRST SLAM DUNK
これは去年の映画です!観たのが2022年の人も多く、ランキングされてないのが悔しい…

4️⃣首
ベスト3には入れれませんでしたが、娯楽超大作の名に相応しい見応えしかなかったという。R-15じゃなかったら、もっと低い恐れもあったかも、逆に。

5️⃣かがみの孤城
こちらも去年の映画です。童心というものを思い出させてもらいましたし、ミステリーとしても素晴らしかったですね。

6️⃣BLUE GIANT
私は6位にさせてもらいました。1位でもおかしくはないとは思います「ジャズするべ!」

7️⃣エゴイスト
エゴイストという意味をとても考えさせられます。勿論、LGBTQ作品としても思うことがあります。

8️⃣正欲
エゴイストとそんなに違いはないぐらいのスコア。わかってあげられない具合がこちらの方が強い、辛い。

9️⃣怪物
流石の坂元裕二脚本。脚本大賞は本作です。「怪物だーれだ」誰なんでしょうかね…

🔟シン・仮面ライダー
ほとんどが脚本ストーリーで選んでますが、こちらは完全に好みでランクイン。カッコよさではダントツです!

採点不可:キリエのうた

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誰もツッコんでくれないから、自分から。アイコンは新年バージョン。年賀ハガキがめっちゃハマる和装です。もしかしたらちょっとずつこっちを向くとか向かないとか。
鎌谷ミキ

鎌谷ミキ