やす

ロストケアのやすのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
3.9
予告や映画の解説では、最初から犯人を提示した状態からの人間ドラマという感じだったけど、
映画の内容は犯人は誰か分からないから状態から探っていく内容だった…。

それでも、重厚な人間ドラマがメインなことは確かだし、十分すぎるくらい考えさせられる内容でした。
オープニング辺りの高齢者の姿が、やがては我が身になることを想像してしまう。

これからもっと高齢化が進む時代。
今でも激しい人手不足だけど、この先もっと働き手は減っていくと思われる。

私はまだ家族を介護する立場を経験していないので、犯人が「これは救いなんです」という言葉が、本当の意味でどうなのかは分からない。

自分がもし介護されるような立場になって、寝たきりだったり認知機能が失われていくとしたら…
やっぱり人生を終えたいと思う気がする。。
何気に出演時間短かった綾戸智恵のセリフが身につまされました…。
そして戸田菜穂の覚醒したかのような叫びに、犯人に感情移入している自分に気づく。。

近頃では、介護つきマンション等が人気のようですが、この先こういうマンションが増えたとしても、老後の格差や、介護士さんがいるんだろうか?と心配にもなったりします。

将来が不安になるしかない映画でしたが、問題提起としてはよくできた映画だったと思います。
やす

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