想像してた何倍も何倍も重く、辛く、何もいえなくなるくらい苦しい映画だった。
松山ケンイチさんがサイコキラーで言葉巧みに検事を欺き、殺しを正当化させていくのを最期に長澤まさみさんが嘘を見破る的な展開を勝手に予想していたけど、浅はか過ぎて自分が滑稽に思えた。
松山ケンイチさんと長澤まさみさんの演技合戦も圧巻だったけど、脚本も演出も全てが調和してて見事としかいえなかった。
悪も正義も紙一重、法も完璧ではない。
ルールを破ったら人の世界では罰を受けるけど、それも多数の思想やルールを作るためのもので穴だってある。
最後の法廷での被害者側親族の叫びがこの映画の真実で今までの緊張感や積み重ねた会話、理屈の山を全て綺麗に壊してくれたように感じた。心を散々揺さぶられて、どっちの主張が本当は正しいのか、この一瞬でハッと気付かされた。
迷惑はお互いにかけあっていく、理解していく、許し合っていく・・自分は耐えられる自信がないけど、結局常に悩んでいくしかないよなぁと思うことにする。