まお

ロストケアのまおのネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

とても難しい問題だと思った。いや、とても難しい問題という言葉だけでは片付けられないほどの、それ以上の言葉にできない感情が残っている。
人には一人ひとり違った生活があって、だからこそ何が正義かもその人によって形が違う。自分が正義だと思っていることが相手にとっては必ずしも正義であるとは限らない。それを相手に押し付けることはできない。経験した人にしか分からない苦しみを、「経験した人にしか分からない」のだから、理解されないことも当然ある。
介護する立場をまだ経験していない立場のわたしは、この映画で「認知症患者の介護」をするシーンを見て、自分がいつか介護をする立場になったら、また介護をされるような立場になったら、どんな気持ちになるのだろうかと、終始胸が痛んだ。
松山さんと柄本さんの演じるシーンが本当に印象的で、見ているそれだけで、苦しさと辛さで涙なしに見ることはできなかった。
どうすることが正解なのかわからないと考える一方で、万人に共通する正解はないのではないかと思えるような、非常に考えさせられる作品でした。
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