「ファーザー」と同じ戯曲からの映画化という事で、当たり前だけど共通点も多いです。
アンソニー・ホプキンス持つ威厳とか厳格さはなく、フランス版の父はメイドを困らせるために、ワザと転んだ振りをしたり、エロじぃぶりを発揮したりと少しコミカルな感じでした。
年寄り特有の頑固さや意地悪さを、こちらのベテラン俳優さんも見事に演じてました。
長女はそんな父に手を焼きながらも、自分の人生を犠牲にしてまでも面倒を見ようとする。
父に冷酷だとか、意地が悪いとか言われながらも。
真摯になればなるほど、裏目に出てしまう。
見ていて辛いです。
そんな長女の気持ちも理解せず(出来ず)、次女ばかりを褒めて慕う。
「フロリダ」に次女に会いに行くのがじぃさんの夢なのだ。
次女は数年前に事故で死亡しているのに、認知機能の衰えた脳は都合よくそれを忘れさせている。
「フロリダ」は次女がいるというだけでなく、常夏の楽園であり憧れの土地という想いもあるのかな。
たとえ施設の中でも、この楽園を思いながら最期を迎えられたら幸せなのかも。
比較的明るいタッチで描かれている映画だけど、やっぱり少し気が滅入ります。
あぁ歳はとりたくない(泣)