このレビューはネタバレを含みます
あたたかい気持ちになる。
作中の登場人物が何人か出てくる。
その人達が複雑に絡み合っていくが、どう纏まるのだろうか?そう思っていたら、呆気なくまとまってしまった。なのに、物足りなさを感じない作品だった。
それぞれの場面の厚みを感じからだろうか。映画の中の人たちは、みなそれぞれに感情を全身で表していたと思う。小銭を入れて音楽をかけて聴くシーン、1人でビデオを見るシーン、怒っている人も、泣いている人も、喜んでいる人もいた。
写し方も面白くて飽きない。本人だと思ったら鏡写しだったり、撃たれたシーンでは撮る段階でカメラの感度を下げて気を失うという表現が本当に素敵。
そして、相変わらずの手持ち撮影なのに安定して酔わず、見ることができる。傾きや、ブレに余計だな、と感じさせない。必ずそれぞれに意味があると思う。どんなに傾いてても女性は美しいし、ブレには緊張感、疾走感それぞれを思わせる。
個人的には、とにかく女性が美しくて見惚れていた。体のラインを殺さないスタイリングになっていた。また撮る側もどう撮れば美しく見えるのかが、よく考えられている作品だった。
ラストの言葉には、「恋する惑星」に通ずるものがあった。鳥肌が立つ、完全に2部作品ではないが、このような同じ世界で繋がりが見られるのも素敵だと思う。
これを映画館で見れてよかった。