なまにく

ブエノスアイレス 4Kレストア版のなまにくのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

前半は所々退屈な間もありましたが(というよりウィンとファイの掴み所が分からず見方を悩ませた)、ウィンが手を怪我した辺りの、2人の関係性が再びやり直され始めていくところから惹き込まれていって、連続して心に残るシーンがありました。
でも、結局、ウィンの一部を制限しないとウィンとファイは幸せにならないんだなあ、と感じたりして切なさを感じた。思ったよりファイが独占欲強めだったのがパスポートのくだりでわかって、最初あんなに揉め合っていたのは、こういう執着の差からなのかあと後から思ったり。タバコのシーンとかもね。

チャンに録音機渡された時のトニー・レオンの繊細な演技が美し過ぎて、このシーン見てるとき変な声出た。だって、このちょっと前にチャンとファイが話しているシーン、ファイはかなり上の空というか、心ここに在らずな様子だったから、録音機に伝える時は死んだような声で一言ぐらい告げるのかと思ってた。でも、声に出そうとした瞬間に堰を切ったように泣いて、しかもそれを目と眉毛だけで伝えさせるし、その後に録音機で目元隠して口だけ見えてる時も苦しそうな様子が強く伝わった。描写が素晴らしいってのもあるけど、これはトニー・レオンの演技あってのシーンだわ。凄かった。
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