このレビューはネタバレを含みます
とても、とても美しかった 小津映画のような整った清潔な、魂の溶けるような映像
正直不純な気持ちで観始めたのですが品のあるエロスに圧倒 降参です。
お目当てのチャイナドレス、予想以上の破壊力で。すらりとしたかたち 着物もそうだが躰の線に纏うお召し物を品をもって着こなすのは難しい、尊敬の眼差しと絶望の溜息(私のからだにたいしての)を交互にしました 無常。。。 夫人の大ぶりのイヤリングや美しいおでこ、跳ね上げたアイラインが脳に残っている 自分に似合うもの若しくは好きなものを身につけて堂々とゆっくりと歩く女はいつみてもいいもの 椎名林檎女史を思い出してしまう 水仙の、ドレスがいちばん良かった
喫茶店や自宅の装飾がひどく美しい すべてがどタイプである 色彩も美しい 緑と赤が印象的だった 湿度の高い画面を揺蕩う煙草の紫煙がまた切ない 切ないのは初見当時禁煙していたからですが…
食事をするシーンもすべて素晴らしい すきなひとと食事をするの本当に無理だとつい最近まで思っていたのですが今作ではごく自然に、まるで小鳥がつまみ食いするかのように静かにそして大胆にちまきを食べるなどしていてときめいた
時折おこなわれるごっこ遊び とても悲しくて厭らしくて好い ずるくて
夢二のテーマ、良いですね ワルツに心奪われるのは私にとってとても気持ちがいいことです 夢二を観た時はあんまり記憶に残りませんでしたが今作によって愛するサントラが増えましたね 監督ありがとう
ラストもとてもすきでした。おまじないのようなのろいのような子供のような仕草 ひそひそと 大人になっても子供じみたことをふたりでしたい ときめきはそこにあると思うから