このレビューはネタバレを含みます
たまらんぜ、たまらんぜよ。
この映画を家で鑑賞した時に、
映画館で観たらどんなに素敵なんだろうと思った。
1962年、香港。
〜
1966年、カンボジア。
生々しく美しい、時間の経過を影となり追うように画面いっぱいに堪能、心満たされた。
執筆部屋として借りた秘密の2046号室で鏡越しにマギー・チャンを見つめるトニー・レオン、チャンが手招きをして何か喋った後のふたりの笑顔。ぼやけていたけど、あんだけ心許したようにチャンが笑っていたのはそのシーンだけじゃないかな。この時間がずっと続けばいいのにと(私が思った)
男女の一線が緩くなる隙が幾度もあるのに、2人の理性が強くて、そこがもどかしくて切なくもあり 裏切られた気持ちを分かち合う者同士の立場として敢えて一線を超えないブレなさがかっこよくて理想的でもある。
(一方の片割れ不倫組の存在は声と後姿だけ、この演出が本当にありがたい)
"不倫"を毛嫌いしているタイプの私が
プラトニックに想い募らせ不器用にすれ違う そんな
ふたりにはうっとりと悶えてしまうよ、
ウォン・カーウァイ。
夢二のテーマ
キサス・キサス・キサス
花様的年華
この官能的なサウンド達をスピーカーで聴けたのも
たまらなかったなあ、ぜよ。
