Automne

2046 4Kレストア版のAutomneのレビュー・感想・評価

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)
4.2
映像美がえぐい。
『欲望の翼』『花様年華』に続く3部作の終焉。
幻想的な映像美と、シチュエーションの反復、積み重なるクリスマスイブ。
『欲望の翼』の挿入歌であるザビアート楽団「Perfdia」が大好きだったので、途中で流れてきたところで泣きそうになった。
『花様年華』のフェイウォンも続投だし、『欲望の翼』のトニーレオンの例のシーンにも答えが出て、前作ふたつを踏まえてみるとすべてがつながっているところが3部作っぽい。
分かりにくさはあるけれど、それはレオスカラックスでいうところの『Holy Motors』であり、『2064』はウォンカーワイ欲張りセットって感じで1ファンとしては大満足。
相変わらずのショットの美しさ、人物の奥ゆかしさ、ロマンチシズムは健在。
小説家としてのトニーレオンが登場人物としてのキムタクを演じきれないことによるずれと、映画内小説のキムタクと現実のキムタクのずれ、それ自体メタファーとしてのずれ、物語として計算されたねじれは快い(入れ子ねじれ構造)。
過去との決別というテーマ、その後を描くのは『ビフォアミッドナイト』的哀愁あって好き。

“すべての想い出は涙に濡れている”
Automne

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