Polly

2046 4Kレストア版のPollyのレビュー・感想・評価

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)
3.5
想像してたよりもSF色は濃くなく、カーウァイの走馬灯のような作品だった。順番的にこれを最後に観るべきと聞いていたけど、その順序で観て正解だった。
2046という数字は疑いようもなく香港50年不変のことを表しているけど、作中に直接的な描写はなかった。2046は何も変わらない世界、というのはそういう願いを込めてなのかな。陳腐な発想かな。
チャウが女性たちに優しいとよく言われていたのと、そう言われた時のチャウのなんとも言えない目の光の鈍さが印象に残っている。誰にでも優しいのは他人に嫌われて自分が傷つきたくないから。全部自分のため。
黒蜘蛛との長回しのキスシーンはねっとりしすぎ…とちょっと引いちゃったけど、ルージュで口周りを汚すためだったのね。言いたかったけど言えなかった言葉が唇をつんざいて血だらけにしたみたいな汚れ方が良かった。
チャン・ツィイーの切り立つような美しさに終始目が釘付けだった。カーウァイの作品は美男美女じゃないと耐えられない構図がたくさんあるよね。で、どんな経緯でキムタクが出ることになったのかめちゃくちゃ気になった。タクが恋人に宛てた手紙に太宰の斜陽が引用されてたり、チャウの女に溺れる放蕩設定は太宰オマージュとパンフレットで知り、日本人が出ることに何かしら意味があったのかなと思うけど、なぜどうしてキムタクだったんだろ。気になる。
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