基本的なストーリーは素直だが、過去と現在が頻繁に連続して交錯する構成がユニーク。最初のうちは過去と現在が次々に入れ替わって何が起きてるのかよく分からないくらいだが、その違いが際立ち、二人が全く別のカップルのように感じられてその意図が腑に落ちる。
アンナの漫画で倦怠期の二人をスーパーヒーローズと見立てるのは大袈裟では…と思いつつも、スーパーヒーローが向き合う試練が次第に明らかになり、それについても見ているうちにこういうことかと腑に落ちる。
終盤の展開も時間軸をバラバラにして再構成するこの構成でなければ実現できないもので、改めてこの仕掛けが腑に落ちる。
スーパーヒーローは特別な人間ではなく、色々なことに立ち向かう皆がそうなんだという優しいメッセージと、一抹の儚さも感じられる趣きのあるエンドにザ・プレイスのパオロ・ジェノベーゼ監督らしさを感じて腑に落ちた。