ひろさん

東京2020オリンピック SIDE:Bのひろさんのレビュー・感想・評価

東京2020オリンピック SIDE:B(2022年製作の映画)
3.6
新型コロナウィルスcovid-19の世界的な感染拡大下で開催されたオリンピックという特殊な状況を記録した映画としては後世に残るものになるだろう。
女子マラソンのスタート時間を1時間早めることが前日に決められて戸惑う関係者の姿と無事に迎えたスタート。実務に携わる人々の責任感と能力の高さは認めるが、「日本人はやり遂げる能力がある」「日本人は素晴らしい」との、菅や橋本聖子に共通する日本人優越発言には引いてしまった。
野村萬斎、佐々木宏ら開閉会式の演出家チームの解散や辞任、女性蔑視発言で会長を辞任したはずなのに開会式に出席し、関係者と談笑する森喜朗らの姿を何年後かに見た時、それでもオリンピックを開催する意義があったのかを考える材料にもなる。
「マイクを置いて話そう」と近づくバッハ会長に、マイクを通して「オリンピック反対」と言い続ける女性の姿は、お互いの主張をぶつけ合うだけで対話をしない現代社会を反映した悲しい場面だった。
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