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東京2020オリンピック SIDE:BのABBAッキオのレビュー・感想・評価

東京2020オリンピック SIDE:B(2022年製作の映画)
2.5
 2022年河瀬直美監督。IOC公認の東京五輪(2020という2021年に行われた大会)記録映画の2部構成第2部。競技ではなくその運営を取り巻く話で当然ながらコロナによる延期が大きな話題。しかし森会長、バッハIOC会長、小池東京都知事のやり取りなど五輪の政治性も垣間見せる。
 出色は開閉会式をめぐるドタバタ。野村萬斎氏と電通の佐々木氏の発言が全くかみ合わないことが明白。Mikiko氏の(「気持ちは)シンとしている、怒りとか悔しさとか全くない」という発言が印象的。
 その後の森氏の女性差別発言の顛末の中で多数の人間のコメントが集められているが、山口香氏の本質的なコメントがやや強調されていた印象。聖火リレーも感動して走る人、見る人の後ろで企業スポンサー車も少しだけ映る。女子マラソンの直前でのスタート前倒しでもバタバタ。開会式では森山未來の舞踏が比較的長く。最後はいささかヤケクソ気味の監督の歌唱。
 SideA同様、このイベントの混乱ぶりを映した混乱したドキュメンタリーだが、SideAよりもややましか。競技記録としてはSideAよりもこちらにある男子400mリレーの映像が一番まとまっていた印象。
 ただ、本来は組織委も解散し、二部構成が公開された後に本格化した五輪腐敗問題を採り上げる必要があった。こちらは誰かがSideZとしてでも作って欲しい。
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