地井武男、佐々木勝彦主演の東宝8・15シリーズの一作。
オールスターによる8・15シリーズのイメージがあるが、
監督、今井正の意向なのかメインのキャスティングが地味。
主人公の年少兵たちは皆無名の役者さんたちだ。
が、逆に役者さんのイメージに捉われず役を見詰められるト云うプラス面もある。
反して、周囲のキャスティングは豪華、
三國連太郎、小川真由美、大滝秀治、加藤武さんなどなど。
ほぼ、新劇の役者さんたちばかり。
コレも監督の意向か？
ロジックな演技が欲しかったのだろうか？
町の食堂における三國連太郎さんト小川真由美さんの共演は何気ないシーンだが、
見応えがある。
海軍における地井武男さんト佐々木勝彦さんの教育論の対立シーンも見応えがあった。
年少兵一人一人のキャラクターを丁寧に描いている脚本に好感が持てる。
脚本は、鈴木尚之さん。
海軍の生活と地元での生活の対比での見せ方が秀逸。
一人一人のキャラクターにスッと共感して行ける。
オープニングとエンディングは、
硫黄島での壮絶な闘い。
圧倒的な反戦映画である。
