佐藤克巳

海軍特別年少兵の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

海軍特別年少兵(1972年製作の映画)
4.0
激戦の硫黄島の戦いで玉砕した海軍特別年少兵の志願の動機、訓練にウエートを置いた今井正監督の力作だが、東宝8.15シリーズでは異色となった。戦前「望楼の決死隊」で傑作戦争アクション映画を撮った監督だから、「硫黄島からの手紙」程度の作品は可能だったろうが、三國連太郎、小川真由美等の左翼的言動から、戦後の反戦色が濃く出ている。なお訓練中、教班長地井武男は「軍人教育は力」を主張すれば、教官佐々木勝彦は「愛」だと対抗するが、年少兵は前者に信頼を寄せた点は好感を持った。また、落ちこぼれの自殺した兵が中村梅雀だった事に驚いた。
佐藤克巳

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