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情動のmarimoのレビュー・感想・評価

情動(2020年製作の映画)
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テアトル新宿の田辺・弁慶映画祭セレクション2022にて5作目の鑑賞

吉村界人と林監督の3章構成の最後の一本
時系列的には一番最初に作られた作品のようです

コロナ禍を経たから出来た作品なんだよなと

私は在宅勤務中心になった以外は
コロナ前後で仕事への変化はそこまでないのですが
多くの環境や職場で多大な影響があったであろうことは想像に難しくない
人間が壊れる瞬間なんてきっと一瞬で
その壊れた後、修復できないぐらいどんどん蝕まれていくんだろうな

何かのタガが外れた後、
徐々に変貌していく行動に
何か異質なものに感じる恐怖と
もしかしたらちょっとしたきっかけで自分も同じような状態になるのではという
人間の脆さに対する恐怖が
なんとも言語化しにくい感情で鑑賞中は居心地の悪さが続きます

心が弱っているときに見たら間違いなく悪化する鬱展開なのですが

それをセリフで説明するわけでなく
演者の表情の変化や行動の異様さで、じわじわと展開される

すごく後味は悪いのですが、
それでも何にも縛られずに解放されたかのようなラストは
少し羨ましかったりもするんですよね

長編では表現できない短編だからこそ描ける作品
鑑賞するのであれば心に余裕があるときに

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・22年09月21日(水) 21:00
・林監督DAY 0921 情動+海の夜明け
・座席番号:D−11
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