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逃亡者 カルロス・ゴーン 数奇な人生のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

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めったに衝動的に鑑賞しないのに、このお顔がNetflixのホームに現れた瞬間に懐かしくて観てしまった。
ドキュメンタリーであるが本人が取材拒否しているので、今までの経緯を関係者やニュースの切り貼りで編集したもの。総集編として、振り返っているだけ。でも、詳細抜きにした大筋をみると浮かび上がってくるものがある。そういう意味ではおもしろかった。

取材先は、当時の日本の経営陣数人、ミスターゴーンを追っている経営ジャーナリスト、当時の日本の広報(役者が代理)、ミスターゴーンの弁護士、日本の企業の弁護士、週刊誌記者、ミスターゴーンの家政婦さん、ミスターゴーンのお姉さん、安藤優子さん等々。

擁護派なのか、ミスターゴーンがそこまで富と成功に執着した理由を不遇な子供時代に見てとろうとするアプローチもあるが、そうは思えなかった。もともとの富豪やハンディのない人だって、富と成功に執着する人もいる。不遇な背景があるとどちらかといえば人生を諦めることの方が多いように思える。

抜群の能力があった、それだけだと思う。

それと、事件を起こしたカリスマの分析は、ライフヒストリーやコンプレックスに注目するけど、抜きん出た能力を持つ人と凡人との関係性の問題にみえる。

不正は日本の経営陣のガバナンスの問題。経営陣が🌹🌷🌸だったから。別にミスターゴーンでなくとも起こりうる抜け穴だったのでは。すごく恥ずかしい話だと当時も思ったけど、この総集編では他のことより、日本の経営陣のおかしなことが際立ってみえた。

興味深かったのは、ミスターゴーンの日本人家政婦さん。語学が堪能で駐日の要人のプライベートの日常を世話をする職業があるんだと知った。仮釈放の仮住まいで、こまごまと買い物や家事をこなすだけで、それほど交流があったわけでもないし、逃亡を知ってもいなかったのに、レバノンに着いたニュースを観て泣いたそう。

「カリスマ」は本人の演出もそうだけど、カリスマに依存する意思無き周りの「凡人」が強固にしていくのだから(エピソードを作るのは凡人)、カリスマ性が認められれば、周囲というか組織はそれだけでも注意し対策をとらなければならないと、長い人生の経験上思う。

「魅力は危険と同義語」。公私含めて、ようやく危険は何かがわかり、最近分別がつくようになってきた。

ベルサイユ宮殿🏰でのお誕生会🎂は何百人の私的お友達プラス仕事関連3人で、ミシュランのシェフ👨‍🍳を呼んで、会社のお金で盛大に仮装🎭️パーティー🥂をした映像もあった🎉

ミスターゴーンの報酬の総額だったか生涯収入だったかの可処分所得の1日分を以前計算したことがある。何にどうやったらこんな金額を使えるのか、凡人の私には理解も、消費もできなかった。(宝くじが当たったら、新しい自転車を買いたいくらいの使い途しか思いつかない💦)

ミスターゴーンのお姉さんがそっくりで帰りを心待ちにしていて、可愛い弟の話を誇りに思って話していたのも印象に残った。
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