#真摯な刑事たちや被害者の遺族の姿に不覚にも涙が止まらなかった
ノンフィクションの書籍の存在は、清水潔さんの本などジャーナリズム、特に調査報道にハマった何年か前に知っていましたが、あまりに胸くそ、凄惨な内容に耐えられず、途中で挫折していました。
Netflixで本作の存在は知っていましたが、その記憶から二の足を踏んでいました。
最近また、今度はドキュメンタリーにはまり、重い腰を上げ見ることにしました。
結果、観てよかった。
辛かったですが、風化させては行けない。
私たちが少しでも考えることがルーシーさんの魂の鎮魂になるのではないか。
本作は日本人が作ったからいい。それもアメリカで過ごし、良い意味で世界の基準を知っている方だから、よりグローバルスタンダードというか、イギリスやアメリカの方が見ても違和感を覚えないだろう。
本との違いは、日本の刑事に同調しているところであろう。
裁判の結果はあまりに無念だが、懸命に被害者遺族に寄り添い、捜査を続ける姿には胸を打った。
そして毎年現場に花束を添えるという。
なんだか救われた。
ただ本作で触れられていないのは、ルーシーさんの両親の離婚。
記者会見などでいつも二人揃っていないことに違和感を感じていたか調べたらなるほどと合点がいった。
父親の言葉には胸を打たれたが、ソシオパスとの意見もあるらしい。
ただ、短い上映時間の中焦点を定めた描き方は正解だっただろう。
私自身暴力的な人間と関わったことがある。今も怖いしトラウマがある。
一歩間違えたら殺されていたかもと思うとゾッとするとともに、人生を大切に生きたいと思った。
まだ生きていたら、結婚もして母親になっていたかもしれない。
作中の女性も涙を流していたが、なんとも言えない気持ちになった。
傑作ドキュメンタリー。