この映画は技法がおもしろい。
実写でドラマを撮りそれを全部フィルターにかけてアニメ化するという手の凝りよう。
もしこの映画が実写のみだったら私は4.2も入れてないけど、アニメ化してしまった時点で点数があがってしまった。
アニメ絵のほうが見やすいかもしれない。
この監督の自伝的なお話だろう。
彼の細かい子供時代の描写はとても詩人。
子供らしい顔の動きなどすごい手が込んでる。
お姉ちゃんの顔とかお兄ちゃんの表情とかママのかっこよさとか
流れてくるテレビの音楽とか番組のディテールとかが、おもしろい。
ポリコレなんか何もなかった時代。
白人だって汚いケミカルだらけのところに住んでたり、原油の浮いてる海で泳いでたりしてた。日本人だって海に水銀流してた。知らずに、罪の意識も何もなく消費こそが豊かさと信じてたあの時代を思い出させてくれた。
劇中彼が言う、子供らしさが許される最後の時期。車の後ろで眠り込んでもお父さんが抱っこしてベットに入れてくれる最後の日々。子供とティーンエイジャーの間の微妙な年。夢をみたり、それが現実でないことをうすうすわかるあのみんなが通り越すあの年代を見事に描いてる。
新しいタイプの映画として。