バンバンビガロ

長ぐつをはいたネコと9つの命のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

3.3
前作を含めてこのシリーズはほとんど通ってきていないのだが、映像的に何か新しいものが見られるなら見ておこうという気持ちで鑑賞。
予想通りではあるがシリーズに関する知識は全く不要で一本の映画としてみて引っかかるところは全くないように作られている。主人公のキャラクター性も冒頭の派手なアクションシーンと同時に端的に説明されるのですんなりと話に入り込める。
映像面ではまさに『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)以降の3DCGアニメという感じで、従来の3Dアニメに集中線などコミック由来の記号や省略表現、レイアウトを組み合わせてアクションシーンにメリハリを作っている。スパイダーバースほどビビットな映像が全編に展開されているという感じではなく要所のアクションを盛り上げる手段として新しい表現がうまく取り込まれていて、今後の3Dアニメのスタンダードになっていきそうなポテンシャルを感じる。
ストーリーは良くも悪くもプレーンな印象で、テーマである9つあった命が最後の一つになってしまったことによる恐怖というのはちょっと共感しづらいように感じる。もちろんもっと広く生の一回性について語っているのだと思うが、厳密には命のスペアがないことと人生が一度しかないことは同一視できない部分があってそこにちょっとごまかしがあるように思えた。
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