第95回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされた、ストップモーションアニメによるモキュメンタリー作品。
おしゃべりで好奇心旺盛な巻き貝の子ども・マルセルが生き別れになった家族を探して奮闘するストーリー。彼を支えて映画を撮影する映像作家・ディーンは監督そのひとで、まるでマルセルが本当にそこにいて撮影されたような不思議なリアリティを持ったユニークな映画でした。
主人公マルセルがとにかくキュートで存在感たっぷり。ストップモーションアニメなのはわかっているけど、生き生きと動き回り、喜怒哀楽さまざまな感情と表情をみせるマルセルの実在感に、いつしかフィクションであることを忘れそうになります。
小さな貝のマルセルは文字通りちっぽけで、広い世界でひとりぼっちのように感じるけれど、良いところも悪いところもありつつ、僕らは世界と繋がっている。そんなほっこりするメッセージが感じられる一本でした。